review 0048 : モン ゲラン ブルーム オブ ローズ オーデパルファン / MON GUERLAIN EAU DE PARFUM BLOOM OF ROSE
【香水名】モン ゲラン ブルーム オブ ローズ オーデパルファン / MON GUERLAIN EAU DE PARFUM BLOOM OF ROSE
【ブランド名】ゲラン / GUERLAIN
【発売年】2020年3月1日
【パフューマー】ティエリー・ワッサー / Thierry WASSER
【香りのノート】ルミナスフルーティフローラルノート
【キーとなる香り】
トップノート:マンダリン、カシス&ペアーノート
ハートノート:ローズアブソリュート、ラベンダー
ベースノート:バニラ、サンダルウッド
【レビュー対象商品】
オーデパルファン 50ml 12,000 円 30ml 8,500円(本体価格)
※レビュアーが実際に試香した製品のみ記載しています。価格はレビュー当時のものです。
【オフィシャルサイト】
https://www.guerlain.com/jp/ja-jp/p/mon-guerlain-eau-de-parfum-bloom-of-rose-P013945.html
2017年、ラベンダーの香りを軸にしたレディスフレグランスの発表は大きな話題となりました。それは『モン ゲラン』。そして香りのイメージを体現している自分の信念に従って生きる新しい女性の象徴として、アンジェリーナ・ジョリーをミューズに打ち出しました。
香水の原料として、ラベンダーは男性用というイメージを持つ方も多いと思います。それはラベンダー、オークモス、ゼラニウム、クマリンなどを主体とする『フゼアノート』という香調がメンズフレグランスの主流の一つであるからでしょう。しかし、ゲランは、その長い歴史の中で、以前にもフゼアノートを新しい女性を象る香りとして発表したことがありました。それは、1889年に発表された『ジッキー』という香水。初代調香師、ピエール=フランソワ=パスカル・ゲランの息子であるエメ・ゲランが、イギリス留学中に出会った、若く美しい活動的な女性、ジッキーに捧げた香りです。上品で生き生きとした女性の姿を感じさせるラベンダーとレモン、バニラの香りは現在でも愛され続けています。
この春発売となったのは『モン ゲラン ブルーム オブ ローズ オーデパルファン』。スプレーして肌にのせてみると朝露に濡れている開いたばかりのローズから感じるほのかなシトラスの酸味がある香りから、ラズベリーやライチのようなフルーティなノートへ。そしてミルクシェーキやキャラメルのようなグルマンな要素を感じさせ、やがてミネラル感を漂わせながら、ザクロジュースをミルクで割ったようなまろやかな香りへと移ろっていきます。6時間ほどして自分だけ感じるラストノートになると、ローズのコンクレートを肌にひと塗りしたときのような、ローズの香りの分子がぎっしりと詰まったような香りが現れます。
ゲランの香りという『芸術』を支える5代目のマスターパフューマーであるティエリー・ワッサーは「この『モン ゲラン ブルーム オブ ローズ オーデパルファン』は花の女王であるローズへの真の称賛です。濃厚な、まるで蜂蜜のようなフルーティなローズの香りの一面をも香りで描き出し、ローズエッセンスとローズアブソリュートの魅力を一切の制約なしに表現しています」と言っています。また、ティエリー・ワッサーと活動を共にするゲランのパフューマー、デルフィーヌ・ジェルクは「オードトワレからオードパルファムになり、バラの花びらは燃えるように赤いバラの花束になり、トップノートからラストノートまで、ローズの荘厳さが表現されます」と言います。
朝目覚めた時は『モンゲラン ブルーム オブ ローズ オーデトワレ』を。そして、夜出かける時には大胆に打ち出された女らしさが香る『モン ゲラン ブルーム オブ ローズ オーデパルファン』に香りを纏い変えて出かけましょう。それは「目に見えない香りのタトゥー」というテーマの通り、アティラン(=attirant)な香り。この香りを纏う人にゴージャスな充足感を与え、周囲の人の感覚を引きつける、現代的な魅力に満ちた香りです。
レビュアー 地引 由美 2020年4月