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review 0040 : パルコ パッラーディアーノ I / ボッテガ・ヴェネタ

【香水名】 パルコ パッラーディアーノI / PARCO PALLADIANO I -MAGNOLIA
【ブランド名】ボッテガ ヴェネタBOTTEGA VENETA
【発売年】2016
【パフューマー】ミッシェル・アルメラック
【香りのノート】フローラル
【香りの構成】
トップノート:ベルガモット、グレープフルーツ、オレンジ
ミドルノート:スズラン、マグノリア、ローズ
ラストノート:グリーンノート、ホワイトムスク

【レビュー対象商品】 オードパルファン  100ml  35,000円(本体価格)
レビュアーが実際に試香した製品のみ記載しています。価格はレビュー当時のものです。
【オフィシャルサイト】https://www.bottegaveneta.com/jp/

 
 2016
年にボッテガ・ヴェネタがラグジュアリーラインのユニセックスフレグラスとして発表した、『PARCO PALLADIANO  (パルコ パッラーディアーノ)』シリーズの1本です。現在このシリーズは2017年に3本が追加され、『PARCO PALLADIANO I(パルコ パッラーディアーノ)I』から『PARCO PALLADIANO IX (パルコ パッラーディアーノIX)』まで合計9本となっています。2018年からは『II』、『IV,VI』の香りのキャンドルも販売されています。

 近年、香水業界ではニッチフレグランスの顕著な台頭を受けて、大手メゾンブランドが独自のブランドストーリーを語る動きが顕著になっています。新興ブランドにはない、独自の歴史やエピソードをコレクションのコンセプトに取りいれて積極的に語ることで、個性を打ち出し差別化を図っています。消費者はブランドのストーリーに触れることで、ブランドに対する認知や愛着が増し、特定のブランドがお気に入りになることもあるでしょう。ボッテガ・ヴェネタは2011年からフレグランスを販売していますが、『PARCO PALLADIANO (パルコ パッラーディアーノ)』シリーズでは、創業地の歴史や情景、受け継がれてきた伝統、職人気質などが、ブランドアイデンティティの神髄として余すところなく表現されています。

 『PARCO PALLADIANO (パルコ パッラーディアーノ)』というネーミングは、パッラーディオ様式の庭という意味です。創業地であるイタリア北東部に位置するヴェネト州(州都はヴェネツィア)ヴィチェンツァは、ルネサンス最後の建築家と呼ばれた建築家、アンドレア・パッラーディオ(1508-1580)の建築が有名な中世の面影を残す美しい街で、市内旧市街と郊外の23のヴィラと呼ばれる邸宅が世界遺産に登録されています。このシリーズはヴィラの庭園で育つ花、樹木、果樹、スパイスなどの香りを織り込みながら、一日の時間とともに移り行くヴィラの庭園の情景を描いています。私がこのシリーズで巧緻だと思うのは、一つの空間に流れる一日の時間を複数の香りでコマのように切り取りながらも、全体として構成が断絶していないこと。静寂な庭園に流れる匂いが、太陽の動きに呼応するように切れ目なく移っていく様が、シリーズ全体を通して演出されています。そして、その場所で朝から夜へと流れていく時間と香りが、今日までの長い年月の間、脈々と続いていることまで感じさせるのは、ボッテガ・ヴェネタが持つ土着の風土であり、それを活かすブランド力だと言えます。

 シリーズのトップバッターである『PARCO PALLADIANO I(パルコ パッラーディアーノ)I』は、一日の一番早い時間帯、庭に咲くマグノリアの木々の隙間から早朝の光が差し込む様が表現されています。朝靄が残る中、マグノリアの木の下に腰を下ろした時に感じる花や樹皮の香り。臨場感のある生き生きとしたマグノリアで、頭上に広がる花と湿った樹皮の香りが、まだ強くない朝の光に包まれているような印象です。トップにはベルガモットやオレンジの爽やかさも感じますが、全体として香りの変化は小さくマグノリアのシングルノートに近いです。時間が経ってくると、少しワックスかかったようなマグノリアの重厚感が出てくるように感じるのですが、陽が高くなっていく時間帯に厚みのある花びらが大きく開いているような印象です。面白いのはラストノートで、まるで白い花びらが太陽の光を受けて、淡いイエローように色づき香りの濃度を増したまま、明るい余韻を残して終わります。マグノリアは3月の花で、また朝の庭園を表現しているので重さはありませんが、香り立ちはしっかりしていて、構成のシンプルさが木に咲く花が持つ力強さを際立たせています。

 またこの情景を表現するのに大きな役割を果たしているのがボトルです。ボッテガ・ヴェネタを代表するレザーを編み込んだ「イントレチャート」が全体に施され、中の香水が360度どこからみても、さざ波を打つように煌めいてみえます。厚みのあるガラスに凹凸のエンボス加工がされていて、表面はとても滑らかで手に取ると柔らかいレザーに触れたような落ち着きを感じます。私の手持ちの香水瓶の中でも特に秀逸な「質」のボトルです。外箱にも同様のデザインが施されています。ブランドロゴを持たないボッテガ・ヴェネタですが、一目で「それ」と分かる、確立されたアイデンティティがこのボトルから伝わってきて、手にした誰もが「ボッテガ・ヴェネタ」らしさに満足感を得るでしょう。

 パッラーディオのヴィラの美しさは、円や幾何学模様の近代美に古代ギリシャ・ローマのモチーフを融合させた点にあります。『PARCO PALLADIANO I(パルコ パッラーディアーノ)I』はクラシックでもなく、現代的過ぎず、庭園の自然をあるがままに表現していますが、パッラーディオの建築の如く、とても緻密に計算され調和がとれた美があり、イタリアブランドらしい洗練されたフレグランスです。

 イタリアは観光地として人気があり訪れる人も多いと思います。個人的にはヴェネチアやフィレンツェなどのイタリア北東部が好きなので、観光客が溢れてくる前の朝の時間帯に、『PARCO PALLADIANO I(パルコ パッラーディアーノ)I』の香りを纏って散歩してみたいな、と思っています。好きな香りを旅行のお供にするのも良いですが、『PARCO PALLADIANO (パルコ パッラーディアーノ)』を纏って散策する中世の街では、またきっと違った景色が見えるかもしれません。

レビュアー 羽賀 香織 Kaori HAGA 20195

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