La causette parfumée vol.27
『La causette parfumée ラ コゼット パフュメ – 香りのおしゃべり会 』(通称ラコゼ)第27回が、2019年10月6日(日)に公益財団法人日仏会館(恵比寿)にて開催されました。
今回も、香りの専門誌『PARFUM』No.191 / 2019年秋号の発売に合わせて、『PARFUM』編集長 / 香水評論家の平田幸子様、そして『PARFUM』編集メンバー / アロマセラピスト / プランナーの平野佐和様をお迎え致しました。開会の挨拶の後、恒例の参加者の自己紹介では、暑さも落ち着いて存分に香りを楽しむことのできる秋、素敵な香水に出会いたいというお声が聞かれました。
まずオーガナイザーの地引由美から、9月27日のコレド室町 室町テラスのオープンに伴い日本にローンチした『台湾茶香水 / P.seven』が紹介されました。元々お茶の仕事をしていたオーナー藩 雨晴 氏が、台湾独自のナチュラル素材を使用して生み出した香水。調香は、フランスで学んだ二人の調香師が担当しているそうです。金萱茶の香りと台湾ヒノキの香りを生かして、森林の香り→金萱茶の香り→墨の香り、と変化していきます。
続いて『PARFUM』編集長 / 香水評論家平田幸子様のご挨拶です。「長年業界で香水に関わって参りました。父が香水評論家であり、子供の頃から家の中に香水や香水のサンプルがとてもたくさんありました。いつも家の中に香水があり、香りを纏うことが当たり前だったので、香りをつけない人が不思議でなりませんでした。ところで、戦後は見えないものに対する注意が少なくなってしまった、見えるものだけを追いかけた50年だったと思います。文化を重んじる日本で香りが軽視されて来たのは残念です。ここにいらっしゃる皆様が草の根運動の様に、香りの素晴らしさを周囲の方に、あなたの周りの方10人に伝えていただけたら、と思います。そしてこれは余談になりますが、調香師のエドモン・ルドニツカ氏が言ったのは、調香師になるために鼻が利く必要はないと。あまり鼻がよくない人でも調香師になれると。なぜなら、香りを創るということは頭の中で物事を組み立てることだと。ですから結局、大切なのは、どれだけたくさんの思い出を持っていて、思い出についてよく考えて、それを記憶として引き出すことができるかどうか。ですからこれから皆様が香りを試して、キーワードを何か一つでも書き出した時、その香りはそのキーワードと結びついて蘇ると思います。」
『PARFUM』編集メンバー / アロマセラピスト / プランナーの平野 佐和 様からは「20代のときに平田編集長とのご縁があり、『PARFUM』に執筆させて頂く機会を経て2000年頃から連載させて頂いております。今日は自己紹介の代わりに私が関わっているページのご紹介を致します。まず26ページの『Books』です。この中では4冊の本を取り上げていますが、『パリっ子の食卓』、これはこの秋特におすすめしたい一冊です。また、30、31ページの『キーワードで見えてくるあなたの香り』は、三つのキーワードと星の動きを関連づけて、12星座別に幸せになって頂けるよう願いを込めた平野によるメッセージ文と、この文をもとに平田編集長が選んだフレグランスを紹介しています。ぜひ楽しんでご覧になってください。また、編集後記もぜひご覧ください。」
さっそく『PARFUM』No.191 / 2019年秋号』の誌面を見ながら、ブラインド試香を始めます。各自渡されたムエットの香りを確認した後、文章でも、単語でも、思うままに感想を書き留めます。誰に見せるためのものではなく、自分の記憶のフックとなる様に書き残して起きます。その後、香水の名前とブランドが伝えられ、解説をお聞きするという進行です。
最初は『ブラック ピオニー / パルファン サトリ』です。
ヨーロッパの調香師によるものとは違い、どこかに透明感があります。ネーミングの『ブラック』には大人の雰囲気を感じますが、親しみやすさもあります。パルファン サトリの調香師は日本人の大沢 さとりさんで、日本人が使いやすい調香をしています。強くない、やわらかい香りの立ち方が好きという方、また、20代前半の男性の参加者からも好評でした。
次に『ヨウジヤマモト ディーエヌエー コレクション モードゼロ / ヨウジヤマモト』が紹介されました。DNAコレクションとして発表された全5種類の香りの中で、この香水は「あなた自身」という解釈を香りにし、「あなた自身、付け加えるものは何もない」と、その人の個性を賞賛する香りです。
建築的であり、ミニマルなボトルのデザインが斬新です。香りはジャスミン・シダーウッド・アンブロフィクスとムスクで構成され、調香を本格的に学ばれた方、香水に詳しい方にも好評でした。
続いての『エトワール ドゥヌ ニュイ / グタール 』は、10月30日新発売です。発売前の香水を紹介して頂けるのはとても嬉しいという声が上がります。
このグタールの新作フレグランスは、現代的なパウダリーな感覚が強調されています。ボトルのイメージの様にエレガントで、夕方から夜にかけて纏いたい香りです。数量限定発売とのことでした。平野佐和様からはフランス語の定冠詞と不定冠詞の違いから読み取る、ブランドが香水のタイトルに込めた思いを教えて頂きました。
ここで休憩を取りました。普段の生活では意識することが少ない嗅覚に集中していると、想像以上に疲れるものです。平野佐和様がご用意くださった豪徳寺のペンギンペストリーのそばコロンと、麻布青埜の子持ち栗。甘いものを頂いてリフレッシュします。
後半は『ローリング イン ラブ / キリアン 』から。10月11日新発売です。ブランドとして初めての赤い色のボトルが印象的です。
この香りは我を忘れてしまいそうな能動的なセクシーさをテーマにしています。アーモンドミルク、そしてチュベローズなどのバランスが興味深い香りです。『ローリング イン ラブ / キリアン 』はすぐに纏ってみたい、という声が多く聞かれました。キリアンといえば、白いボトル『グッド ガール ゴーン バッド』のスネークのモチーフが印象的な、金属製のクラッチバッグの様なケースも独特です。
そして、この日最後に紹介された香りは『ブルー コバルト Ⅰ / ヴァルモン』。スイスのハイエンドコスメティックブランド、ヴァルモンの香水です。
「ストーリエ ヴェネツィアン』というイタリア、ヴェニスの街をテーマにした5種類の香りのうちの一つです。グルマンノートですが、アンバーとバニラ、レザーが感じられる独特な雰囲気を持つ香りです。アッパークラス向けのスペシャルな香りというイメージですが、参加者の誰もが興味津々でした。キャップとボディにレザーが貼られている50ml容量のボトルデザインは、デザイン学部の学生の方、そして男性の参加者に好まれていました。
全ての香水を試香し終わりました。
当日ご参加の皆様には、『シニョリーナ リベレ / フェラガモ』、そして『ストーリエ ヴェネツィアン / ヴァルモン』から任意の一つと、『ブラック ピオニー / パルファン サトリ』のサンプルがプレゼントされました。
今回も大満足の内容でした。平田幸子様、平野佐和様、ご参加の皆様、有り難うございました。次号『PARFUM』No.192 / 2019年冬号の発売に合わせて、12月も開催致します。どうぞ楽しみにお待ちください。
香りの専門誌『PARFUM』公式サイト
parfum-specialist.com
『SAWA HIRANO』公式サイト
http://www.sawa-hirano.com
『金萱茶香水 / P. Seven』について
P. seven
https://www.panseven.com/
『ブラック ピオニー / パルファン サトリ』について
パルファン サトリ
https://parfum-satori.com/
『ヨウジヤマモト ディーエヌエー コレクション モードゼロ / ヨウジヤマモト』について
THE SHOP YOHJI YAMAMOTO
https://theshopyohjiyamamoto.jp/
『エトワール ドゥヌ ニュイ / グタール』について
L’ATELIER DES PARFUMS
https://www.latelierdesparfums.jp/brands/goutalparis
『ローリング イン ラブ / キリアン』について
KILLIAN
https://www.bykilian.com/jp
『ブルー コバルト Ⅰ / ヴァルモン』について
LA MAISON VALMONT
https://www.lamaisonvalmont.com/jp
世田谷区豪徳寺にある明るい水色の小さな小さなケーキ屋さん。 since2012
penguin pastry
http://penguin-pastry.com/