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香りのある生活

海の見える杜美術館 リニューアルオープン記念特別展 – 香水瓶の至宝 ~ 祈りとメッセージ ~

 広島県廿日市市にある海の見える杜美術館にてリニューアルオープン記念特別展 – 香水瓶の至宝 ~ 祈りとメッセージ ~ が開催されています。
1『宗教から生活へ』
2『自己顕示の象徴としての香水瓶』
3『美の追求と様式化』
4『宝飾美術への昇華』
5『香水産業の成熟と製品化された香りの芸術』
6『 マスターピースとメッセージ ~想いと願い~』
というタイトルごとに、紀元前30世紀から第二次大戦後、そして2000年代の限定ボトルまで、3年間の耐震補強工事後に新設された香水瓶専用展示室に美しく飾られています。本展の全ての出品作品は海の見える杜美術館の所蔵品です。

 4月1日(日)には本展の監修、及び、作品解説と図録に掲載された論文執筆者であるフランス文化遺産学芸員、マルティーヌ・シャザル氏の講演会がありました。「歴史の暗闇の中で、人は香りに目覚めました…」という言葉から始まり、古代から現代までの香りの使われ方の歴史についてお話しくださいました。ギリシア神話の物語からプレシオジテ(17世紀前半のサロンで précieuse たちの説いた礼儀作法の洗練を重んずる精神)、産業革命の恩恵と問題点、現代に置けるマーティングの効果と弊害、さらに香水界のルネサンスと言えるニッチフレグランスブランドの隆盛についてまで。非常に興味深い内容に富んだ素晴らしい講演会でした。残念ながらこの一日だけの開催でしたが、本展の図録に論文が掲載されていますのでご覧頂けたらと思います。

 海と桜を臨む窓を背景に、まずエジプト古王国時代の逸品が展示されています。

 
 オルレアン王立ガラス工房の生み出した斬新なデザイン。1680年頃。

 うっとりするような繊細な細工が施されたマイセン磁器の香水瓶。1725年頃。

 1770年頃のネセセール。メモを書くのは象牙の薄片に。

 1870年頃の琥珀に彫刻が施された香水瓶。オリジナルのケースも残っています。

 エレガントな1870年頃の香水瓶セット。

 紳士が淑女のために携帯していた、指輪付きの香水瓶も展示されています。1890年頃のものです。

 その他にも、美しく貴重な品々を拝見できました。『至宝』という形容がふさわしいこれらの品々が、日本にも所蔵されていることに感動を覚えました。

2018年7月8日(日)まで開催です。
休館日:月曜日 <ただし、4月30日(月・祝)は開館 >
入館料:一般 1,000円  高校生・大学生:500円   中学生以下無料
その他の詳細は公式サイトからご確認ください。
海の見える杜美術館 リニューアルオープン記念特別展 – 香水瓶の至宝 ~ 祈りとメッセージ ~ 公式サイト

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