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review 0032 : グッド ガール ゴーン バッド / キリアン

【香水名】グッド ガール ゴーン バッド / Good girl gone Bad
【ブランド名】キリアン / by Kilian
【発売年】2012年 
【パフューマー】アルベルト・モリヤス / Alberto Morillas
【香りのノート】フローラルフルーティハーモニー
【香りのポイント】オスマンサス アブソリュート、オレンジブロッサム、ローズ、チュベローズ アブソリュート、ジャスミン、ナルシス
【レビュー対象製品・価格】オードゥ パルファン  50ml 10,000円(本体価格)
レビュアーが実際に試香した製品のみ記載しています。価格はレビュー当時のものです。

 2012年にグラースの国際香水博物館の展示室で、香水トレンドの新しい潮流として紹介されていた『by Kilian(バイ キリアン)』。ゴールドのメタルのエチケットに側面にはフランス貴族の館で見られるような浮き彫りの装飾が施されているボトル。タッセルがつけられて引き出すように作られているボックス。魅入られるように眺めていた二週間後に、モナコのパフューマリーでオーナーのフランチェスコに『by Kilian(バイ キリアン)』を勧められました。その時に購入したのは私には珍しいグルマン寄りのフルーティノートの『Good Girl Gone Bad(グッド ガール ゴーン バッド)』。これは今でもお気に入りの香水です。

 そして、2013年のNYの旅行中にサックス・フィフス・アベニューで、ホワイトとブラックの金属製の香水樽(!)を見ることになります。『by Kilian(バイ キリアン)』はコニャックといえば…のヘネシー家の貴公子で、彼自身のあり方も美学を貫き通す人、キリアン・ヘネシー氏のブランド。自らの香水をコニャック樽から僅かずつ蒸発する「天使の分け前」と例え、スプレー部分が外せるレフィラブルタイプのボトルが空になったら樽から詰め替える、という美しいスタイルを提案することにまた驚いてしまいました。この樽にもゴールドのスネークがいます。

 『by Kilian(バイ キリアン)』の香水のタイトルは、どれも少し意味深なニュアンスがあります。『Good Girl Gone Bad(グッド ガール ゴーン バッド)』は良家のお嬢様が家族に秘密でナイトクラブで羽目を外して、大人の女性の第一歩を踏み出す一夜のための香り。抑えきれない冒険心は善と悪の入り混じる旋風のような甘い香り。アプリコットのような甘いオスマンサス(キンモクセイ)のアブソリュートとオレンジフラワー、メイローズ アブソリュート。魅力的で誘惑的な女性の魅力を表現するのはチュベローズアブソリュートと、ジャスミン、ナルシス。
 数々のラグジュアリーブランドの香水をクリエイトしてきたパフューマー、アルベルト・モリヤスの手になる『Good Girl Gone Bad(グッド ガール ゴーン バッド)』の香りは百戦錬磨のプレイボーイの言葉の様で、少し甘過ぎる?なんて用心する心をもすぐに蕩けさせてしまうのです。
 
 子供のような無邪気さと、官能的な女性の誘惑。それはボトルの側面の純白の漆喰細工の様な装飾にも表現されています。林檎と、葡萄の木、そしてドアと蛇。また、アール・デコ調のクラッチバッグの様なボトルケースは輝くほどに白く、その上にはアダムとイブが楽園を追われた抗いがたい誘惑の象徴である、キラキラと光る眼をもつ金色の蛇が纏わり付いています。
 『Good Girl Gone Bad(グッド ガール ゴーン バッド)』の香りをたっぷりと纏って、
ケースをパーティバッグとして持って出かけた夜は、とても特別な気持ちになったのを覚えています。香水はただ香りをたのしむだけのものではない、その世界観を纏うもの。あなたをラグジュアリーな誘惑の罠に誘う、そんなキリアンの世界に酔わされる香水です。
   

レビュアー 地引 由美 Yumi JIBIKI 2018年10月



 

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