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review 0012 : プロムナード イン ザ ガーデン / メゾン マルジェラ パリ

【香水名】プロムナード イン ザ ガーデン / PROMENADE IN THE GARDEN
【ブランド名】メゾン マルジェラ パリ / Maison Margiela PARIS
【発売年】2013年
【パフューマー】カルロス・ベナイム / Calros BENAIM
【香りのノート】グリーンフローラル
【香りのポイント】グリーン、フリージア、ベチバー
【レビュー対象製品・価格】オードトワレット 100ml 12,000円(本体価格)
レビュアーが実際に試香した製品のみ記載しています。価格はレビュー当時のものです。


 グノーのアヴェ・マリアが流れ始め、目の前の庭園のゲートには立派なアイアンの豪華な装飾の背の高い門が構え、その中へ歩みを進める。木々と葉がささやき迎え入れてくれる。しばらく歩くと花々が現れて心に色付けをしてくれる。芝生から青さと水分を感じ、歩く道から土を感じ心地良い気分で歩みを進めていく。思いがけずこの香りに出逢った瞬間、この風景が現れた。とても正統派な香り。
 メゾンマルジェラは、1988年、ベルギー人デザイナーのマルタン・マルジェラによりパリで設立された。スタッフのドレスコードはblouse blanche「白衣」のユニフォーム。過去のオートクチュールのアトリエに対する敬意を意味するそうである。
 1994年「Barbie」コレクションでは人形の服を人間の大きさに再現したコレクション「Replica」というコンセプトを打ち出しそれ以降この再生・再現のコンセプトが続いている。タビシューズとして日本の伝統的履物からインスパイアされた割れたつま先の靴でも有名。
 2012年「Artisanal」コレクションはフランスクチュール連盟より「オートクチュール」の称号を受ける。2014年からはジョン・ガリアーノがクリエイティブディレクターに就任。芸術性、神秘、モダン、エレガンスが融合したファッションを生み出しているファッションブランドである。
 2012年、「Replica」のコンセプトを香りで再現した香水を発表し、このPROMENARD IN THE GARDENSREPRICA EAU DE TOILLETEシリーズの作品である。

 1986年のオックスフォードシャーのロマン主義的なイギリス庭園をイメージしたもので、解放感、無秩序、花々のブーケを表現。香りのテーマとなる写真が香水ボックスに写し出されているので手に取った時にイメージが浮かびやすい。ボトルもひねりのあるデザインで、香水名、香りが再現している年代・場所等がラベルに記載されている。庭園にきらびやかな水を放つスプリンクラーを思わせる独特の形状である。
 有名絵画に説明書きが添えてあるように、まるで美術館で鑑賞しているかのようなボトルの仕上がりである。

 トップからとても美しい。透明感のあるグリーンが清々しさ与えてくれる。心に引っかかる要素が全くなく、きれいでのびやか。そのグリーンにフリージアのオーラが丁寧に咲き、優しく登場するコリアンダーの風味がマッチして正統派な無邪気なエレガンスが躍る。そよ風を感じ幸福感に支配される。きっと表情も優しさに満ちているはず。

 ミドルになると、ローズ、ピオニーがふんわりと現れる。そして、まだインドールを知らないであろう無垢なジャスミンもほんのり加わり、まとまりのある花々のブーケに包まれる。
 清潔感があり白いフレアーワンピースの裾がふんわり靡いていて、自然を愛する気品ある女性がそこにいるかのよう。ローズが青々しくなく、甘く、ロマンティックでどこか知性的。主張しすぎず、品が良い。幸福感が続く。

 ラストはベチバーがトップから続くグリーンに厚みを加え立体的に。透明感も持続。パチュリも加わるがほんのり。パチュリ初心者にはちょうど良いかもしれない。ミドルにいたあの女性が、庭園を歩き、何かを見付け気付き、出逢い、未来を強い意志ある瞳でみつめているような、一段とエレガントに成長した姿がそこにある。
 晒しすぎない、控えめなのだが、きちんと育てられて培った品格がにじみ出ている、そんな印象である。最後までグリーンフローラルブーケは変わらない。

 初めての出会いは銀座。白衣を着たオトナな雰囲気を醸し出す数人のスタッフがいる店内に目を吸い込まれると、目立つ場所に香水が置かれていて、気付くとすでに店内に足を運んでいた。
 洋服のテイストから香水は一体どのような香りがするのだろうと試香すると、良い裏切られ感、どれも日本人が好みそうな優しさが漂う香りであった。昔ながらというと語弊があるが誰しもの記憶の中に何かしらのその香りのニュアンスがはまり、過去の良い感情や経験、懐かしい風景等を引き出してくれるような要素を感じた。中でもその時に一番惹かれた香りが今回の「PROMENARD IN THE GARDENS」。
 香水のボックス、ボトルから既に自己紹介がなされており、なるほど、では香りは?とムエットにスプレーした瞬間、冒頭の映像が脳裏に現れた。

 纏っていると、明るい色の洋服を着たくなり、足元はピンヒール(これはほぼ毎日だが)、背筋を伸ばし膝を伸ばし腕は大きくふらない、淑女のように優雅にゆっくり歩くのよ、と貴女は語りかけてくれる。後ろ姿も抜かりなくね。それが基本よ。基本が備わっていれば少し敢えてくずしても品位はくずれないわ。心に美しさはある?今日はどんな素敵な出会いがあった?なんてかわいく会話をしてくれる。
 だから今日も美しい心でいよう。そうすると美しいもの・人が引き寄せられてくる。これは間違いのない事実。
 そうそう。先日、貴女の地元パリで探し物にあたふたしていたら、不意に貴女が目の前に現れて、落ち着いて愉しんで、と言ってくれたっけ。心の美学をさらりと教えてくれる素敵な相棒である。

レビュアー 五郎丸 惠(ごろうまる めぐみ) Megumi GOROMARU  2017年10月

 

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