review 0023 : ロム イデアル インテンス / ゲラン
【香水名】ロム イデアル インテンス / L’HOMME IDÉAL L’INTENSE
【ブランド名】ゲラン / GUERLAIN
【発売年】2018年
【パフューマー】ティエリー・ワッサー / Thierry WASSER
【香りのノート】スパイシー ウッディ オリエンタル
【香りのポイント】ホットペッパー、カルダモン、アーモンド、レザー、ブルガリアンローズ、シスタス、パチュリ、バニラ、サンダルウッド、スモーキーノート
【レビュー対象製品・価格】オーデパルファン 50mL 9,800円(本体価格)
※レビュアーが実際に試香した製品のみ記載しています。価格はレビュー当時のものです。
2018年7月1日(日)に『ロム イデアル インテンス』が全国発売されます。今から4年前に発売されたゲランの『ロム イデアル オーデトワレ』は、ローズマリーとビターオレンジの自然の中で見上げる晴れた青い空を思わせる爽やかさと、トンカビーンとアーモンドの香りの甘いまろやかなハーモニーが心地よく、男性へのプレゼントとしてよく選びました。2014年の『ロム イデアル オーデトワレ』、2016年の『ロム イデアル オーデパルファン』、2017年の『ロム イデアル スポーツ』と続く連作のボトルは全て、前面と背面に凹凸を施して正方形の繰り返しが心地よく信頼感を覚えるデザイン。ボトルキャップの天面には190年の歴史を誇るゲランのエレガントなロゴ、そしてキャップの内部にも同じロゴが。キャップの下部に施されたギョーシェ彫りは高級腕時計の文字盤にも施される細工で、男性がこのボトルを手に取った時、かっこよくシンクロします。
「ロム イデアル」=「理想の男性」というネーミングもプレゼントにするのにGoodなネーミング。でもそこにはもう一つ、 ” 理想的な男性など存在しない。まとう香りこそが現実。 ” というテーマがあります 。女性にとって都合の良い「理想の男性」ではなく、男性自身が自分らしく追求する「理想の男性」像を叶え、自分が何者かを語らせる香り。
ホットペッパーやカルダモンのトップノートから、穏やかにローズとレザーの香りが立ち上がるフラワリーレザーノートへ、そしてアーモンドの香りに包まれながらパチュリやヴァニラ、サンダルウッド共にスモーキーなラストノートへ。現在は合成香料に置き換えられていますが、ムスクやアンバーなどのアニマリックノートを排除した『ロム イデアル』のシリーズは、ラストノートがとてもやさしいのと同時に、エシカルなイメージも打ち出し、その現代的なセンスは女性からの共感を呼びました。
それでも、”かっこよさ全開”だった初作の『ロム イデアル オーデトワレ』に比べると、『ロム イデアル インテンス』はより懐の深い、断固たる決意を持った不屈のスーパーヒーローの香りへと進化しています。
シトラスノートのコロンタイプのフレグランスからは卒業したいと思っている男性には、ぜひお勧めします。ミステリアスな漆黒のラッカー仕上げのボトル本体とエチケットに取り入れられたごくわずかなイエローのカラーが印象的。シックなスーツの男性のビジネスバッグにも、Tシャツに細身のパンツという装いのスーパーDJのポケットに入っていても、どちらにも馴染む存在感。多様化している現代のどのシーンにあっても似合う香りと佇まいです。
レビュアー 地引 由美 Yumi JIBIKI 2018年6月